技術面では、所属していたバンドのレコーディングを続けていたため、メトロノームに合わせて綺麗に演奏する能力はありました。
また、ルーディメンツなどの基礎練習はしっかり続けていましたのでそれ程演奏が汚くなる様な事はありませんでした。

とはいえ、世の中には先駆者ドラマーの先輩たちがゴロゴロいる状況で、まだまだ若く未熟であった私に、腕を磨いた先輩ドラマーより魅力的なドラム演奏が出来るほどの演奏力は無かったのではないかと思います。

しかし、不思議な事に演奏力が上がった現在の自分が作る動画は、当時の未熟な自分の動画よりも評価を頂けないのです。汗

参考までにこんな動画です。

その理由を解明しようと当時を振り返ってみる事にしたのです。

当時のドラムソロ内容は、ただただ自分が好きなドラムフレーズを叩いたものでした！

ただ、何より大切にした感覚が一つだけあります！
当時の自分がどんな風に叩いたらかっこ良く叩けるかを考えた結果たどり着いた答です。

まず、こんな自問自答をしました。
上手さで勝負したら演奏力が上の先輩ミュージシャンに勝てっこ無いし、、、
じゃあどうする？
地位も名誉も無いし（笑）
マジでどうする？

考えて、、、

考えて、、、考えて、、、

閃いたんです。

たぶん！
大熱唱する歌い手のホイットニーヒューストンの様になる事だ！って
じゃあ僕はドラムを使って、先輩たちの優れた技術を遥かに超えるほどのドラム歌を大大大熱唱しよう！！
上手く綺麗に叩くこと、そんなつまらん考えは捨てる！！
自分の好きなドラム歌をおもいっきり歌ってみよう！！

当時こんなふうに思って叩いた事をはっきり覚えています。

結果的に良かった事

今こうして文字にしてみると、歌う事の大切さを改めて実感します。
今の自分に足りてないところ、得たものと無くしたものがハッキリ見えてきましたね。
演奏力を上げたからと、歌う気持ちが薄れているのかもしれません。

思い切り歌うためには、覚えた事を再現するのではなく、体から自然に出てくるアドリブで演奏しなければなりません。
当時も今も変わらない事ですが、私は多くのリズムに興味を持ちそれぞれの良さを感じながらドラムを演奏しています。
この思考が良い方向に働いたのです。
ドラムソロを演奏中に、体で覚えたドラム歌が自然と体から出てきたからです。

あれから9年の年月を経て今思う事は、歌う事の大切さを取り上げ、上手く綺麗に叩くことを捨てた思考の素晴らしさ、大熱唱する事の素晴らしさの意味・・・・
それが音楽の本質である事。
当時の自分に「よく分かったな」と少し褒めても良いかなと思います。。

きっと、高い演奏力が無かったから気が付けた事なのでしょう。

今でも当時の感覚を忘れないように思い出しながらドラムを叩いています。

演奏力ではなく歌で勝負するのが音楽！
最低限自分の歌を再現する演奏力は必要ですが。。。

解明！かっこいいドラムソロの作り方

その次にやるべき事は、真似をして身に着けた技術を自分の個性の中で歌いこなす！
自分の個性に当てはめて自分らしく使うのです。
そうする事で、誰かから学んだ歌を今度は自分の歌として表現する事が出来ます。

　私が実際にドラムソロを叩く前に準備する事は、大まかなストーリーを組み立ててソロの展開を決めます。
決めるのはそのくらいで、あとはアドリブです。
決め事を多くしてしまうと、決め事を再現する事に気を取られて、歌う事をしなくなってしまうからです。
歌っていない演奏、つまりパターン化されていて決めた事を再現する事に意識を置いた演奏は、音楽的魅力が少ないからです。

歌う中で体から出てきたアドリブのサウンドには何か不思議なパワーがあります。
決めた事を的確に再現した音とは全く違う何かがあります。
パターンに縛られていない自由で魅力的な歌心がそのパワーの源なのです。

　それから、ドラムソロを撮影する時は、編集をしないで一発録りにして作って下さい。
また、メトロノームは使わない方が良いです。
メトロノームを聞きながら叩けば綺麗に叩けるのは当たり前です。

メトロノームを使わないとバスドラムが突っ込んでしまったり、スネアのタイミングが少し遅れてしまったりすると思います。
しかし、これが演奏者の感情を見ている人に伝える大切な要素であり、見ている人が喜ぶ要素なのです。

メトロノームのタイミングに合わせていると・・・
この合わせている状態！
合わせて綺麗に叩こうと意識している演奏では演奏者の感情は半減してしまいます。
歌う事よりも合わせる事、再現する事、綺麗に演奏する事に意識を使っているからです。

カッコイイ演奏をするためには、自信を持っておもいきり歌う事が何より大切です。

何度も動画を見ていただいた方や、「この動画を見てドラムを始めました」なんて嬉しいコメントを頂けた方には、本当に心から感謝の気持ちです。

そして今回、そんな思い出深いドラムソロを楽譜に起こしました！
全て私自身が書いて作っています！
アクセントは勿論、右手左手の手順まですべて鮮明に表記して正確に再現しました。

このドラムソロを気に入って評価してくれた皆さんにも是非再現していただきたいと思いながら作りました。

手順を覚える事も大切ですが、まず音を聴いて歌をしっかり覚える事が大切です。
そして自分の歌心で自分らしく叩く！
そうすれば僕のオリジナルよりももっとカッコよく叩けるハズです！

皆さんのドラムライフがより豊かになる事を願います。